いっそ宝箱

日々のあれこれや何かの感想、考察という名の妄想など

ジョーカー観たよ

ネタバレになるので少し下げます




























ジョーカーが出る映画ってダークナイトくらいしか知らなーい、バットマンの敵でしょ?くらいの知識で観てきたんだけど、ジョーカー初見の人でも十分内容は理解できるものだった!
ただジョーカーの異常性を理解してる人から観たらまた違う気持ちになるのだろうなぁ、と思った。ダークナイト観返そうかなぁ。ダークナイトは当時親に連れられて映画館で観たんだけど内容あんま覚えてなくて。車がバーーンッて一回転してたな、くらいの記憶しかない。でもジョーカーがトラウマにならなかったってことは怖くなかったんだと思う。

ちなみに今までトラウマになった映画

ジュマンジ……子どもの頃に観たんだけど、怖すぎて思い出すと心がザワザワする映画。大人になってからトラウマ克服の為に観返したが「こんなパニックムービー怖くて当たり前じゃ!!」とキレた。リメイク版?新しい方のジュマンジは大好き。笑えるし泣ける。

・ジュラパ……子どもの頃に観て大泣きした記憶。エリマキトカゲもティラノも怖い。そこから観てない。たぶん二度と観ない。ユニバのジュラパは好きだしフライングダイナソーもおもしろかった。恐竜は普通に好き。ロマンがある。

・脳男……何のためにこの映画作ったの?ってくらい嫌だった。映画館で観たのだが食欲がなくなったし、この映画観てからこの映画に出てた数人の役者さんたちがしばらく嫌いになった。(顔を観ると映像がフラッシュバックされてしまう為)
今は大丈夫。でもあれフィクションじゃん精神で乗り越えた。

・ヒメアノ~ル……グロすぎて無理。二度と観ない。家に帰ることや家に居ることが怖くなる映画で嫌だった。犯人の人がなに考えてるか分からんから余計に怖い。“無敵の人”ってこんな感じなんだろうなと思う。とにかく嫌い。登場人物みんな人として嫌いだった。ただムロツヨシの「こうやってずっと呪ってた」って手をパーにするところは大好き。たまに真似する。あの髪型もやべぇ。チェーンソーのくだりは嫌い。

冷たい熱帯魚……グロすぎて無理。二度と観ない。でも“この映画はキレてしまった人達の物語なんだ”と思った。腑に落ちた感じはあった。実際にあった事件を元にしてると聞いて心が凍えた。


まぁこんな感じで私は結構トラウマ映画が出来やすくて。だからシリアスっぽいやつとか人がたくさん死ぬやつとかホラーとかは避けて通ってるんですよ割と。でもジョーカーは観たかったの。ダークナイトがトラウマになってないからいけるかなぁ、って思って。もちろんすごく悩んだけど。だってやれトラウマ映画だの観てると心がツラくなるだの、落ち込んでるときは観ない方がいいだのって散々ネットで言われてたから。


でもそんなんじゃなかったよ。
ちゃんとしたヒューマンドラマだったよ。そりゃそうなるわ、って。あんな扱いされてたらそんな風にしか生きられないわ、って、思った。


アーサーが段々とね、心の支えを無くしていくでしょ。
カウンセリングが受けられなくなって、薬ももらえなくなって、仕事もなくなって、親が倒れて、大好きだったテレビの司会者にバカにされて、妄想の恋人に裏切られて、親は自分をいいように扱うだけのクズだったことを知って(あるいは思い出して)しまって。

どれだけツラくても、あのテレビ番組があれば人として生きていけたかもしれない。
どれだけツラくても、仕事で誰かを笑顔にしていければ人として生きていけたかもしれない。
どれだけツラくても、親は自分を愛しているんだと思えていたら人として生きていけたかもしれない。
どれだけツラくても、薬で精神を安定させていれば人として生きていけたかもしれない。
誰も殺さずに済んだのかもしれない。

一つ一つ、生きる支えを失って、アーサーは一人で立つしかなくなった。周りが変わらないんなら自分が変わらなきゃ!自分が自分を幸せにしなきゃ!自分で自分を守らなきゃ!

その結果があれじゃないですか?

追い詰められて、誰のせいにもできなくなったら、そりゃああなるでしょ。せっかく殻を破って自分から変わったら「それは違う」だなんてあんまりだよ。


自分のことを“透明人間だ”と感じたことがある人ならきっと持つであろうあのなんとも言えない感覚を上手に言葉に出来ていてすごいな、と思った。
そんで毒親持ちはきっと“親が死ななきゃ私の人生は始まらない”みたいなことを思ったことがあると思うんだけど、アーサーもそれは一緒だったんじゃないかな。

私はその気持ちを「お母さん」「お父さん」と呼ばないようにすることで消化していってる。“親”として認めないようにするの。おじさんとおばさん。あと名前で呼んだり。そうすることでだいぶ楽になったよ。
親と思うからしんどいのであって、親と思わなければ少し気楽になれる。俺たちは花から生まれた花太郎だ。この考えオススメ。でもそういう呼び方を本人らの前でし過ぎたら「馬鹿にしてる!!!」って怒ってくるから時々“お母さん”“お父さん”って役職で呼んであげなければならない。めんどくさいね。私たちは子どもだったことなんてないのにね。子どもらしくあることを禁止されて、大人でいることを求められてきたのにね。本当に道化ですよ。ウケる。


「辛いときほど笑え!」って言うけど、辛いときに笑ったら脳が馬鹿になるからダメらしいよ。
「まだ笑ってるってことは、これくらいなら大丈夫なのかー!」って脳がブッ壊れるんだって。だから突然涙が出てきたりする。笑って乗り越えようとし過ぎるとそうなるの。
私たちはいつも強くなることを望まれるし、いつもご機嫌でいることを求められるけど、一人の時は泣いても怒っても弱ってもいいのよ。
それを咎める人の傍にいるから泣けなくなっちゃうの。泣いたらウザがられてきたもんね。何か相談しようもんなら「そんな話聞いてるとこっちが暗い気持ちになる!!」ってウザがられてきたもんね。でもこっちは親や周りの愚痴を聞かされるんだよね。だってゴミ箱にされてるから。

でもゴミ箱にならなくていいんだよ。人も自分も、殺さなくてもいい。ちゃんと一人になる方法はあるよ。一人になれば好きなように感情を出せるんだよ。自分の為に生きたことがない人はここらへんが本当に難しいと思う。ずっと人のために生きてきたから、自分の為にどこまで何をしてあげたらいいのか分かんないんだよね。
夜更けに突然怒鳴られて起こされたり、親の機嫌によっては急に蹴って起こされたりとかがあるとさ、寝るのも怖くなるよね。私も自分のお腹を殴らないと眠れない時があったな。よく分かんないけど眠れなさすぎて気絶したかったんだろうな。ご飯を食べてる間もずっと親の怒鳴り声を聞き続けるから栄養になってる気がしなくて、どんどん痩せていったりしたな。

でも一人暮らしをしてからは快適です。7キロ太りました。それでもまだ痩せてる方だけど。これはもう体質。
一人暮らししても親の呪縛からは簡単に逃れられないけど、自分で自分を育て直さないとどうしようもないというか。その為には親の異常性に気付いて物理的に親から離れないと。自分で洗脳とかないと。誰も助けてくれないので。


自分はジョーカーになり得たんだなぁと思いながら映画観てた。
ジョーカーの気持ちが分かってしまうところがあった。でも私はあそこまでの承認欲求オバケじゃないので、その点では助かったなぁと思ったりした。ジョーカー承認欲求の塊だったね。自分で自分を認めてあげられないと人に求めるようになるよね。そもそも自分は存在してるのか分からないくらいの人だったからニュースになることで存在証明してしまったんだろうね、ツラいね。
でも他者によって自分の存在価値を見出だそうなんて無理な話だよ。所詮他人だから。我々は優しくされるとすーぐ依存しようとするけどダメだよ。他人に流されちゃダメ。また人のために生きることになるから。
自分のために生きて、結果人の為になるってのが一番楽だよね。ムズいけど。でも働くってつまり誰かの役に立ってるってことだから。自信持ってこ。


太宰治とか中村文則とか桜庭一樹の小説好きな人はジョーカーの気持ち分かるかも。私がそうだったので。

あとこの映画、“悪い奴なら殺してもいいのか?”という問い掛けのような、テーマのようなものがあるように感じたのだけど、私はやっぱり、悪人でも殺したらダメだと思います。
でもやられっぱなしも嫌だよね。「リンチされたくなければ電車に乗らないでください」って言われてるようなもんだもんねあんなの。
小賢しい悪人がなぜか社会から守られているというのもありがちな話だ。だから正しく裁かれない。だから殺すしかない。殺すしかない?本当に?そこで疑問が生まれてしまう。でも解決策は浮かばない。
私はいつだって環境を変えてきた。働く場所、住む場所。アーサーももっと自然溢れる田舎町に引っ越せばよかったんじゃない?って思うけど、そこにも悪人がいるかもしれないし、悪人を野放しにしたままなのもムカつくし、自分が労力を使うのも腑に落ちないかもね。コメディアンになるには都会に住む方が良かったろうし。劇場の関係とかで。
でも私はやっぱり環境変える派なんだよな。じゃないと精神も変わらない派。環境同じままで「私が変わらなきゃ!私が頑張らなきゃ!」って思っても心が死ぬだけだと思う。自分追い詰めてるだけというか。あんたもう120で頑張ってんのにそれ以上は無理だよ、と。「自分が変わろう!」で環境が変わるのは普段40の力でしか頑張ってない奴らだけだから。頑張ってない奴らが頑張ったら周りからの目も変わるけど、すでに頑張ってる人はもう無理。頭打ち。ヤンキーが草抜きしたら先生に褒められて、真面目にやってる生徒は「それが当たり前だ」と思われる法則と一緒。
だから環境変えるしかないと思う。真面目が認められる場所に行くしか。
でもアーサーはそもそも母親を捨てられなかったからね。いやーーー根深い。マ!ジ!カ!ル!バナナ!!家族といったら呪縛!!!



とりあえずジョーカーには「凪のお暇読みな!!」って言ってあげたい。そんで「あーーーなんか分かるわ~~~」って言い合いたい。で、ドラマ版の凪のお暇も一気観とかして「やばーーーい!!!ジョーカーはゴンさんと慎二どっち派ーー!?!?正直どっちもないよねwwwでもゴンさん天使じゃない!?!?慎二も心の声ちゃんと出してりゃねー!!」とか言ってケラケラ笑い合って唐揚げとか一緒に食べたい。

ジョーカー、本とか漫画とか読んでりゃよかったのにね。文学は救いだよ。漫画は居場所だよ。

オタク活動してると「でもそれって逃避じゃん」って言ってくる人いるけど、これは居場所だからね。立派な。それがあるから生きていけるし、共感したり、感情を取り戻せたり、“一人じゃない”って思えるんだよ。居場所なんだよ。


やっべ!もうこんな時間だ!好きなゲーム実況者の動画観ながら寝るわ!!!おやすみ!!!